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2019年の平均消費性向、年末まで低迷

2020年02月08日 16時23分37秒 | 経済
2019年の平均消費性向、年末まで低迷
 昨日、2019年12月の家計調査が発表になり、年末商戦の消費動向はいかにと思って見ましたが、やはり平均消費性向は前年比で低下でした。

 家計調査の調査票は、調査票の改定で、移行期間が2018年19年と2年にわたり、その間は改定によるギャップを調整する措置が取られています。調整は統計理論に基づいていますが、どうしても調整期間中は不安定な感じになります。

 この期間が12月で終わり、2020年1月からは同じ調査票になるので、何となく安心です。
 その意味では、移行期間中だということを前置きしながら、昨年1年間の2人以上勤労者所帯の平均消費性向を月別のグラフにしました。

         平均消費性向の推移(2018年、2019年)

 
 ご覧いただきますとお分かりのように、平均消費性向が前年の同じ月を上廻ったのは、2月、5月、7月、9月の4回だけで、それも9月の場合は消費税増税の駆け込み需要ということが明らかですから、矢張り勤労者所帯の消費性向はまだ下げ止まってはいないということでしょう。
        
 マスコミも書いていますように、駆け込み需要の後は、その反動減で消費が落ち込む(買い溜めしたものは当分買わない)わけで、それがどのくらい続くかでも、家計の消費意欲が解るとも言われます。

 今回は、駆け込み需要が9月で、その後3か月目には年末商戦ということでしたから、家計の消費欲が強ければ、12月の年末商戦で、少し変化がみられるかと期待もしていました。
 しかし現実は、まだ、駆け込み需要の反動は続いていて、脱出はできませんでした。

 しかし、9月以来の具体的数字を見れば、平均消費性向の前年同月比は  
  9月  プラス  6.3ポイント
 10月  マイナス 5.2ポイント
 11月  マイナス 3.7ポイント
 12月  マイナス 2.5ポイント
ということですから、駆け込み需要の影響は着実に薄れているといった見方も可能でしょう。   
 
 このブログでは、このところの平均消費性向の落ち込み、いささか行きすぎではないかといった見方をしています。
 もちろん、少子高齢化が進む中で、年金、医療、介護問題をはじめ、深刻な財政赤字、貯金してもゼロ金利、国会の混乱など、国民の将来不安の種は尽きません。

 しかし、政府が適切な政策さえ取れば(今の国会の状況では難しいかもしれませんが)日本人の勤勉さ、1800兆円を超える個人貯蓄といった巨大な資産もあり、日本経済の復活は十分可能と思っています。

 その意味では、消費の拡大も、消費不振による日本経済の低迷を救うある意味では「投資」になるという側面もあるのではないでしょうか。
 次回、2020年1月調査からは、前年と同じ調査票での調査になり、統計としての安心感が出ますので、また確り見ていきたいと思います。

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